就職困難者

就職困難者は障害者雇用で働かないといけない?一般枠でも応募できる?わかりやすく解説

就職困難者に認定されたあと、

「これからは障害者雇用でしか働けないの?」
「一般の求人には応募できない?」
「普通の正社員求人を探してもいいの?」

と不安になる人もいると思います。

私も制度を調べていく中で、ここはかなり誤解しやすいところだと感じました。

先に結論

就職困難者に認定されたからといって、障害者雇用だけで仕事を探さなければならないわけではありません。

条件に合えば、一般求人・一般採用枠への応募も可能です。

就職困難者=障害者雇用だけ、ではない

まず一番大切なのは、

「就職困難者」と「障害者雇用」は同じ意味ではない

ということです。

「就職困難者」は雇用保険上の区分です。

一定の条件に当てはまる人について、再就職までに時間がかかる可能性があることなどを考慮して、所定給付日数が300日や360日になる場合があります。

一方、障害者雇用は企業が障害のある人を対象として募集する採用枠です。

この2つは関係する場合はありますが、同じ制度ではありません。

一般求人にも応募できる?

厚生労働省・ハローワークでは、一般求人であっても障害のある人が応募することは可能と案内しています。

ハローワーク福井も、障害者専用求人があるからといって、

「障害者は一般求人に応募できない」と考えるのは誤り

と明確に案内しています。

つまり、

一般求人
↓
障害の有無にかかわらず、求人条件を満たせば応募を検討できる障害者専用求人
↓
障害のある人を対象として募集している求人

という違いです。

 

正社員の一般枠にも応募できる?

もちろん、求人条件を満たしていれば応募できます。

たとえば、

  • 一般事務
  • 営業
  • 製造
  • 物流
  • 医療・介護
  • 技術職
  • 鉄道
  • 公務員

などの一般求人についても、

「就職困難者だから応募してはいけない」という制限はありません。

障害者専用求人との違いは?

一般枠と障害者雇用枠には、それぞれ特徴があります。

項目 一般枠 障害者雇用枠
応募対象 求人条件を満たす人 障害のある人を対象
求人の数 比較的多い 一般求人より少ない傾向
配慮 自分から相談する場面がある 配慮を前提に募集している求人が多い
仕事内容 幅広い 企業によって異なる

どちらが正しいという話ではありません。

自分がどのような働き方をしたいか、どんな配慮が必要かで選ぶことになります。

一般枠を選ぶメリット

一般枠の大きなメリットは、求人の選択肢が広がることです。

障害者専用求人だけに絞ると、地域や職種によっては求人がかなり限られることがあります。

一方、一般求人まで広げれば、

  • 給与が高い仕事
  • 自分の経験を活かせる仕事
  • 希望する職種
  • 勤務地が近い仕事
  • 正社員求人

など、選択肢が増える可能性があります。

障害者雇用を選ぶメリット

一方、障害者雇用には、

  • 必要な配慮を相談しやすい
  • 通院について相談しやすい
  • 仕事内容を調整してもらえる場合がある
  • ハローワークの専門窓口から支援を受けやすい

といったメリットがあります。

全国のハローワークには、障害のある求職者向けの専門窓口があり、応募書類作成、面接対策、職場実習、求人開拓、職場定着まで支援しています。

障害者手帳がなくても相談できる場合がある

ハローワークの専門援助部門では、対象となる人について、必ずしも障害者手帳の有無だけで判断しているわけではありません。

ハローワーク津島の案内では、

障害者手帳の有無を問わず、障害などによって長期間にわたり職業生活に相当の制限を受ける人などを対象に支援している

と案内されています。

そのため、

「手帳がないから相談できない」

と決めつけず、一度ハローワークに確認してみる価値があります。

一般求人に応募するとき、障害を伝えないといけない?

一般求人だからといって、応募時に必ず障害について伝えなければならない、という仕組みではありません。

厚生労働省のQ&Aでも、

一般求人で本人が障害者であることを明らかにしていない場合

についての取扱いが示されています。

つまり、一般求人へ応募するときには、

  • 障害について伝えて応募する
  • 障害について伝えず応募する

というケースの両方が想定されています。

伝えない場合の注意点

ここはかなり重要です。

障害や体調について何も伝えず一般枠で入社した場合、企業は当然、

「どんな配慮が必要なのか」

を把握できません。

たとえば、

  • 通院日の調整
  • 勤務時間の調整
  • 業務上の配慮
  • コミュニケーション方法の調整

などが必要なら、どこかの段階で相談する必要が出てくることがあります。

 

合理的配慮とは?

障害者雇用促進法では、企業に対して障害者への差別を禁止し、必要に応じて合理的配慮を行うことを求めています。

募集・採用時については、障害のある本人から、

  • 何が支障になっているか
  • どのような対応を希望するか

を申し出ることで、企業と具体的な配慮について話し合う仕組みになっています。

注意

合理的配慮は「希望したことを企業が必ず全部そのまま実施する」という意味ではありません。

本人と企業が話し合い、企業に過重な負担とならない範囲で対応を検討します。

一般求人だから障害者を断っていいわけではない

これも非常に重要です。

厚生労働省は、事業主に対して、

募集・採用で障害者に均等な機会を与えること

を求めています。

障害があるという理由だけで一般求人から一律に排除することは、障害者差別にあたる場合があります。

採用は、本来、

その仕事に必要な能力や適性をもとに判断する

ことが基本です。

一般枠と障害者雇用、どっちがいい?

これは人によって違います。

たとえば、

一般枠も検討しやすい人

  • 仕事内容を幅広く探したい
  • これまでの職歴や資格を活かしたい
  • 給与や待遇も重視したい
  • 特別な配慮があまり必要ない

障害者雇用も検討したい人

  • 勤務時間について配慮が必要
  • 通院との両立が必要
  • 仕事内容に一定の調整が必要
  • 職場定着のサポートを受けたい

という考え方ができます。

もちろん、この2つにきれいに分けられるわけではありません。

一般求人を探しながら、障害者専用求人も並行して見る

という探し方もできます。

ハローワークでは両方の求人を紹介してもらえる?

はい。

ハローワークの専門援助部門では、障害者向け求人だけでなく、一般求人を紹介できる窓口もあります。

また、必要に応じて応募先へ、

  • 必要な配慮
  • 勤務環境についての希望
  • 通院についての相談

などを伝える支援を受けられる場合もあります。

自分だけで企業へ説明するのが難しい人には、こうした支援はかなり使いやすいと思います。

私ならこう相談する

ハローワークでは難しく説明する必要はありません。

「就職困難者として認定されていますが、障害者専用求人だけではなく一般求人にも応募したいです。一般求人も紹介してもらえますか?」

と聞けば十分です。

配慮が必要なら、

「一般求人に応募したいのですが、○○については会社に配慮を相談したいです。どの段階で伝えるのがいいですか?」

と相談すると具体的なアドバイスをもらいやすくなります。

求人の選択肢を広げるなら情報収集も大切

就職困難者に認定されたからといって、最初から応募先を狭くする必要はありません。

自分に合う働き方を考えながら、一般求人・障害者求人の両方を見比べてみるのも一つの方法です。

まとめ|就職困難者でも一般枠に応募できる

  • 就職困難者=障害者雇用だけ、ではない
  • 一般求人にも応募できる
  • 一般の正社員求人も対象にできる
  • 障害者専用求人と一般求人の両方を探してもよい
  • 障害について応募時に伝えるケース・伝えないケースの両方がある
  • 必要な配慮がある場合は企業やハローワークへ相談する
  • ハローワークの専門窓口では一般求人も紹介してもらえる場合がある

就職困難者という言葉を見ると、

「もう普通の求人には応募できないのでは?」

と思ってしまう人もいるかもしれません。

しかし、それは違います。

一般求人を含め、自分の経験・希望・働きやすさに合った仕事を探すことができます。

次の記事では、

「就職困難者だと会社にバレる?応募先にハローワークから伝わる?」

について詳しく解説します。